【アメフト】ライスボウル2015観戦記

(私が観戦した3階席からの眺め)
2015年1月3日に行われたアメリカンフットボールの日本選手権
「第68回ライスボウル」
を現地観戦した感想を書きます。
カードは、関西学院大学ファイターズ(学生王者)対富士通フロンティア-ズ(社会人代表)です
1.試合全般について
まずライスボウル公式サイトから、両チームのスタッツ(記録)を転記しておきます。
・ファーストダウン数 関学:22回 富士通:18回
・パス獲得ヤード 関学:299 富士通:147
・ラン獲得ヤード 関学:155 富士通:150
・攻撃総獲得ヤード 関学:454 富士通:297
・反則喪失ヤード 関学:30 富士通15
・ターンオーバー 関学:1 富士通:2
・攻撃時間 関学:32:47 富士通:27:13
これだけを見ると、関学が勝ったんだろう、と思えます。
しかし、最終スコアは
関西学院大学 ファイターズ 24 - 33 富士通 フロンティア-ズ
で富士通が勝ちました。
このように、スタッツと勝敗が連動しないことはたまにあります。
しかし、攻撃総獲得ヤードが150ヤードも上回り、さらにターンオーバーも1回少ないとなると、まず勝ちは間違いないように思えます。
これには以下の要因が考えられます。
1.キックオフやパントのリターンが良かった
2.関学の9回のギャンブルのうち、2回しか成功できず、それが実質ターンオーバーになった
3.FG成功数で上回った
上記のうち、2.についてですが、私は関学がもう少し定石どおりに戦ったら、勝敗は逆転したかもしれない、とも考えます。
とくに下記リンク先の中にある動画の0:36、4Qの50ヤードラインから、関学はギャンブルを決行し、投げたパスをインターセプトされますが、ここは定石どおりにパントで良かったんじゃないかと思います。
NHKニュース「ライスボウル 富士通が関学破り初優勝」へのリンク
まだ4Qのはじめの方で、しかも1点リードしていましたから。
しかしそれは、あくまでも結果にすぎないことは、自分でもわかります。
たまたま失敗し、それが最悪の形になった。
成功していれば、「守りに入らなかったことによる勝利」と言われていたと思います。
2年前、最後の最後に無難なプレイをしてひっくり返されたことが、強烈に印象に残っていたのかもしれません。
この時点まで1点リードできたのは、失敗しながらもスペシャルプレイを繰り出した結果かもしれません。
もしやってなかったら、そこまで点がとれていただろうか、とも思いますし、逆にもっと取れていた、と考えることもできます。
「関学が定石通りの試合運びをやっていたら勝っていたかもしれない」
と言うのは、あくまでも結果から導いた声だと思います。
なお、試合展開ですが、いまのところこの記事が一番詳細に書いてあると思います。
NFL JAPAN「ライスボウル 試合結果」へのリンク
2.初優勝の富士通について
富士通フロンティアーズは初めてのライスボウルで初優勝を決めました。
日本代表を何人も抱えるチームで、何度もライスボウルまであと一歩、と言うところまで来たのですが…
そこに今シーズン、コービー・キャメロンと言うQBが加入しました。
米カレッジ界でも有名なルイジアナ工科大学でプレイし、優れたパッサーに贈られる「サミー・ボウ賞」を獲得。
NFLまであと一歩、とまで言われた選手です。
「いよいよ富士通は本気で優勝を取りに来た」
春先にそう思いました。
もちろん今までだって、本気で優勝を取りに来ているはずです。
しかし、社会人スポーツがどんどん衰退していく中、これは並々ならぬ決意だったと思います。
このライスボウルでは、キャメロン選手は負傷のために欠場しましたが、キャメロン選手と彼がチームに与えたものを抜きにしては、ここまで勝てなかったと思います。
川崎市に住む私にとって、何が嬉しいかと言いますと、住んでいるところを尋ねられたら、最低でもこれからの一年間は
「日本で一番強いアメフトチームがあるところです」
と言えることです。
と言っても、多くの方には「?」でしょうが…
それでも、そう言うことが言えるのは、とてもうれしいです。
ありがとう、フロンティアーズ
(2015ライスボウル後の富士通今井主将のあいさつ)
3.MVPについて
MVPには2TDをあげた、RBジーノ・ゴードン選手が選ばれました。
JAPAN X BOWLに続く受賞となりましたが、ネットでは西村選手がMVPでよかったんじゃないか、と言う声をよく見かけました。
西村選手はこの試合で4本のFGを決めました。
特に3本目のは、今季自己最長となり、NFLでも成功率が低いと思われる48ヤードのものでした。
他にも41、47、33ヤードのものを決めています。
日本のアメフト界で、40ヤード超を決めるのは、簡単ではないと思われますが、43ヤードのものを失敗した他はすべて決めたのは、すごいと思います。
そして9点差と言うスコア。
TDとPATの得点が両チームとも同じ中で、決まったFGの差が3本。
これがそのままスコアの差になりました。
そして、ほとんどのキックオフで相手陣10ヤード以内に落とし、何本かは5ヤード以内だったと思います。
これらはかなりいやらしい、良いキックオフだったと思います。
ですから、私は西村選手がMVPで良かったんじゃないかと思うのです。
もしくは、ナイスリターンを2本決め、TDパスも捕った中村クラーク選手で良かったんじゃないかと。
最初にスタッツをあげましたが、この試合はスペシャルチームで勝ったとも解釈できます。
ですから、西村選手か中村クラーク選手に獲得してほしかったです。
4.学生と社会人の差は広がったか
「学生と社会人の力の差がはっきりした」
twitterではそう言う声をいくつか見ました。
私はそうは思わないです。
スタッツで学生が圧倒していたことは前述したとおりです。
そして、中央へのランをよく出していましたし、最後までタックルをよく決めていました。
私は富士通のランで、試合終盤関学のディフェンスは息切れするかもしれない、とも思ったのですが、最後の最後まで、ミスタックルは少なく、早い集まりをしていたように思います。
今回だけの結果をみると、ライスボウルが社会人対学生でいいと思います。
これは冗談ではないのですが…
視力がかなり落ちたせいか、三階席から見ていると、時々関学の選手が、強かったころのバッファロー・ビルズの選手に見えました。
ネタではなく、本当にそう見えたのです。
関学はバッファローと同じく、チャンピオンシップで4年連続敗退となったわけですが…
私が書くまでもなく、スポーツを見ている人なら誰でも思うことだと想像しますが、チャンピオンシップに4年連続して出てくると言うのは、並みたいていのことではないはずです。
もう関学では学生は社会人に勝てない、と思うかたがいれば、他の大学のことを考えてみればわかります。
その関学に歯が立たないのです。
たぶん一昨年のことだったと思いますが、テレビで関学アメフト部の特集を見て、こんな組織に勝てるわけがない、と思いました。
(まあ、他の大学の内訳を知らないのでそう思った、と言うのもあるのでしょうが)
関学なら来年は勝てるかもしれない、私はそう思います。
その時たたえられるのは、ここまで負け続けてきた方々の努力もあるはずです。
先日クリスマスボウルで関学高校が久々に優勝した時、監督は
「勝てなかったころの選手たちに感謝したい」
と言ったそうです。
そう言う組織だから、関学は強いんだと思います。
話しが混乱してきましたが、とにかく、4年連続して負けた4回生の方々には、4年連続してライスボウルに出場したことを誇りに思って、これから社会に出てほしいと思います。
(2015ライスボウル 関西学院タッチダウン )
5.さくらボウル初観戦
ライスボウルの後、女子タッチフットボールの日本選手権の「さくらボウル」を観戦しました。
毎年ライスボウルの後に行われるのですが、私にとってはたぶん初めての観戦になると思います。
実はフラッグフットボールもタッチフットボールも正確なルールは知らないのですが、見ていると、勝敗とかより、選手の方々の運動能力の高さに驚きました。
両チームのQBは特に高かったように感じました。
印象に残ったのは、神戸大ルークス(黒いほう)のQBが、目の前でサックを狙っている選手をブロックしているプレイが行われているのに、あわてることなく、じっとターゲットを探してパスを投げたプレイでした。
この落ち着きぶりはすごいな、そう思いました。
それにしても観客が少なかったのが残念です。
けっこうおもしろかったので、多くの方に見てほしいな、と思いました。
最終スコアは
神戸大ルークス 44-21 関西アウィリーズ
でした。
いくつか動画を貼っておきます。
6.番外:ジョーダン・キャメロン選手も観戦
試合後、フィールドにはコービー・キャメロン選手の兄で、現役NFL選手にしてオールスター戦にも出たことがあるジョーダン・キャメロン選手(クリーブランド・ブラウンズ)がいました。
ファンに囲まれて、サインに応じたり、写真撮影にも応じてくれてました。

ジョーダン・キャメロン選手の目には、日本のアメフトはどう映ったんだろう…
とても気になります。
なお、下のツイートはライスボウルの翌日のものだと思われます。
Rice bowl champions. Bummed he couldn't play but proud of my little brother. #tokyodome #frontiers pic.twitter.com/70zoawmw58
— Jordan Cameron (@jordancameron) 2015, 1月 4
正確には訳しきれませんが、
「プレイできなかったけど、弟を誇りに思うよ」
と言ったところだと思います。
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【アメフト】ライスボウル2015の私的見どころ
(関西学院ファイターズが制作したと思われる、明日のライスボウルに向けた決意を表明した動画)
明日1月3日、東京ドームで、アメリカンフットボール日本一を決める
第68回ライスボウル
が行われます。
個人的に期待していることを書いておきます。
今回は、学生チャンピオンで4年連続出場の関西学院ファイターズ(関学)と、社会人チャンピオンで初出場の富士通フロンティアーズ(富士通)との対戦です。
関学はここまで3年連続で敗退しています。
ここ10年間で、学生チャンピオンが勝ったのは、一度だけです。
アメリカンフットボールの世界も、ラグビーと同様、社会人優位の時代となっているように感じます。
ですが、関学ならば社会人相手に何かやってくれるかもしれない、という期待を持てます。
やはり、一昨年の試合で、最後の最後まで、オービックシーガルズを苦しめた記憶があるからです。
あれはすごい試合でした。
普段は見られないいろいろなトリックプレーを駆使して、オービックを苦しめていました。
その時の主力選手は去ってしまいましたが、伝統の力は残っているはずです。
ですから、明日の試合で関学がどういうカードを持ってくるか、とても楽しみです。
アメリカンフットボールは、力の差があっても、作戦で勝てるスポーツです。
関学にはそれを証明してほしい、と期待しています。
一方の富士通ですが、川崎市が本拠のようなもので、我が家からそう遠くないところに練習場があるようです。
ですから、愛着があります。
こちらにも負けないでほしい、そういう気持ちもあります。
そんな訳なので、どちらが勝っても嬉しいということになるでしょう。
ところでこんな記事を見ました。
週刊TURNOVER「来年1月3日にライスボウル 関学大・鳥内監督、富士通・藤田HCに聞く」へのリンク
「関学の土俵」
という言葉がよく出てきます。
富士通は、関学の土俵に上がらないように気をつけないと、と言っていますし、関学はそこに持ち込もうとしています。
やはり、関学との試合と言うの特別な空気なんだな、と思いました。
両者が、その土俵に乗せるよう、または乗らないようにするよう、どう試合を進めていくのか、というのも、観戦のポイントだと思います。
そう言うことを考えますと、明日がとても楽しみです。
ところで、12月31日に下記のツイートがありました。
Off to Tokyo..
— Jordan Cameron (@jordancameron) 2014, 12月 30
富士通のQBコービー・キャメロン選手の兄弟でNFLで活躍しているクリーブランド・ブラウンズのTEジョーダン・キャメロン選手のものです。
おそらくライスボウルの応援に来られたのでしょう。
ライスボウルを見て、日本のアメフトのレベルは意外と高いな、そう彼に思わせるようなゲームになればいいなと思います。

(川崎市内のコンビニで見かけたポスターです
店員さんの許可を得て撮影させてもらいました)
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