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- 2014/08/28 : 【ネタバレ】2014年8月 三谷幸喜の人形劇「シャーロックホームズ」の感想 [シャーロック・ホームズ]
「シャーロックホームズ」
の感想で、モロネタばれです。
それでもよろしければ、ぜひ読んでください。
1.「消えたボーイフレンドの冒険」
原作は大方の予想通り『花婿失踪事件』。
ひょっとしたら『スリークオーターの疾走』かも、とも思ったのですが、ストレートに『花婿失踪事件』でした。
実は私、この編はよく覚えてないのですが…
たしか原作では、消えたとされるホズマ・エンジェルの正体は、メアリー・サザーランドの義父でした。
メアリーに結婚されると遺産を彼女に持って行かれるので、それを阻止するため、義父が恋人になりすまし、消えてしまうというものだったと思います。
この親子関係が、人形劇では幼なじみの関係に置き換えられてました。
人形劇ではエンジェルは洞窟に消え、目が悪いメアリは見つけられなかった、隠された抜け穴から逃げたようになっていました。
そのために、ホームズとワトソンは洞窟を訪ねるのですが、原作では部屋を一歩も出ずに事件を解決しています。
これはささいな違いだとは思えませんでした。
私なら、部屋の中で解決する設定にこだわると思います。
そして、原作では、最後にホームズに義父はボロクソにののしられていたと記憶しますが、人形劇では幼なじみどおし、めでたしめでたしとなりました。
そういう方向に持って行ったのは、ワトソンだったのですが…
個人的なツボは…
小説(たぶんディケンズの「二都物語」)を読むワトソンを見て、ホームズが
「小説なんてくだらない。
他人の妄想を読むなんて時間の無駄だ」
みたいなことをいいました。
私は小説を「くだらない」とは思いませんが、どうも読む気がしないのです。
これは自分の欠点だと思っています。
洞窟に消えた人物といえば、「悪魔の辞典」を書いたアンブローズ・ビアス。
彼は1913年にメキシコで消息をたったまま、いまだに行方がわかっておらず、一説には洞窟に入って行って、そのまま消えたとういものもあります。
話しを人形劇に戻しますと、原作でもそうだったかもしれませんが、ホズマ・エンジェルが変装であることを、その背の高さや、メアリーが目が悪いことなどから裏付けするホームズの推理は、わかりやすくて良かったと思います。
ただ…メガネの跡って、あんなに長く残るものか…
2.「赤毛クラブの冒険」
原作は想像通り『赤毛連盟』 。
原作と同じなのは、赤毛のジェイベス・ウィルソンを、普段いる場所から引き離すために、無意味な仕事を任せること。
原作のこの事件の本質は、この点にあると思いますので、それを崩さず、よくできた作品だと思いました。
人形劇の中でウィルソンが引き離された場所は、学校から立ち入り禁止とされていた湖。
決まった時間にそこに来る、大きな白鳥の絵をじっくり書きたいために、ダンカン・ロスは、「赤毛クラブ」と言う架空の団体を作り、そこにウィルソンを引き込み、テニスボールや石などいろんなものを赤く塗ると言う無駄な仕事を押し付けて部室にいるようにさせたのでした。
原作でユニークな主犯、ジョン・クレイにあたる人物は、この人形劇には出てきませんでした。
3.「まだらの紐の冒険」
原作は『まだらの紐』だけかと思いきや、『這う人』(テレビでは『這う男』となってましたが、こちらの方が私にはなじみがありますの)がメインになっていました。
『這う人』なんて、大人の事情と怪しげな科学が満載なのに、どうやって人形劇に書きかえるのか、と思って興味深く見ました。
『まだらの紐』っぽいのは、最初にハドソン夫人がそれらしき蛇を見たことと、シャーマンと言う動物好きの女学生が大蛇に襲われるところ。
ロイロット先生の件で相談に来るヘレン・ストーナー教育実習生は、『まだらの紐』についてではなく、ロイロット先生が動物のようなふるまいをするという奇行について。
これは『這う人』で猿の血を飲んで回春をはかった学者と同じ状況です。
さすがに子供向けでもあるこの人形劇では、そう言うトンデモ科学は描かれず、自分の意思で動物を演じ、恋をしてしまった相手シャーマン嬢に気に入られようとする理由からでした。
ロイロット先生は学園を去り、生活指導を新たに担当するのは、モリアーティー教頭となりました。
教頭=敵役、と言うのは『飛び出せ、青春』とか『3年B組金八先生』とかの、学園物の王道の設定で…
そう言う流れをくむことは、マンネリでちょっとがっかりだと感じました。
しかし、いかにも「続編があるよ」と言う終わり方は嬉しかったです。
4.10月12日から毎週日曜日夕方放送に
前述の通り、『まだらの紐』は、モリアーティー教頭が生活指導を担当することになった、と言う、「続編があるよ」と言う終わり方だったのですが、その予想通りに、10月12日から、毎週日曜日の午後5時30分に、Eテレで放送されるようになるそうです。
そして前週の10月5日(日)は「シャーロックホームズ」放送直前スペシャル番組が放送されるそうです。
これは嬉しいニュースです。
たしかこれまでの6編を含んで全18編が放送されると言っていたように記憶します。
これが本当なら、あと12編新しいのができると言うことになります。
予告では、『犯人は二人』を思わせるシーンがありました。
詳細はそのうちこちらにアップされると思います。
「シャーロックホームズ | NHKオンライン」へのリンク
しかし定期放送が始まると、私のブログの10月からの、土、日、月曜日のテーマが固定されることになるなぁ…
5.三谷幸喜のワトソンへの思い入れ
1回目の放送のあとですが、脚本を書いた三谷幸喜が、ワトソンの設定にこだわったことを語っていました。
「間抜けな人物に描かれることが多いワトソンだが、自分はそれは嫌で、人間味の深い人物に設定した」
と言うようなことを言っていました。
私も、文武ともにタフなワトソン像が好きです。
ですから、これまでの作品の中で、もっともホームズらしいと言われた、ジェレミー・ブレットのグラナダテレビの「シャーロック・ホームズ」ものの、前期(「最後の事件」まで)のワトソンが好きです。
後期のワトソンはちょっと見た目がひ弱に感じます。
三谷幸喜の考えにはおおかた同意しますし、ホームズものがおもしろくなるかどうかは、ワトソンの設定も大事かもしれない、と感じました。

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