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ある阪神ファン親子の 『フィールド オブ ドリームス』~2014年日本シリーズを記念して~

自らのホームページで「黒豹」と名乗っていた男は、クライマックスシリーズが始まると、息子とメールのやり取りを楽しんでいた。

初戦で阪神タイガースが讀賣ジャイアンツに勝つと

「もしかして、いけるかもね。日本シリーズ」

と息子は送ってきた。

息子も黒豹も東京に住んでいるのに、なぜかタイガースファンだった。

黒豹は

「俺は、なんだかんだで巨人だと思うよ」

と返した。

勝つことは難しい、

タイガースを応援することで、いやと言うほど思い知らされてきたからだろう。

しかし黒豹は、この「フィールド オブ ドリームス」のラストシーンのキャッチボールのようなやりとりに満足していた。

息子とともに見たこの映画、自分は泣いたが息子は泣かなかった。

「おまえはなんで泣かないんだ」

そう叱ったりもした。


息子にはタイガースファンになるよう、厳しく接してきた。

しかし息子は反旗をひるがえしたことがあった。

1990年、息子が小学6年生のとき

「こんな弱いチームを応援するのはイヤだ」

と言って近鉄バファローズの帽子とメガホンを買ってきた。

同級生たちに、弱いチームを応援しているのをバカにされるのに嫌気がさしたからのようだった。

「お前、自分が何してんのか分かってるのか?」

息子にそういってもダメだった。

「俺は強いチームを応援するんだ」

前年日本シリーズで3連勝4連敗で日本一を逃したものの、バファローズは強いチームだった。

そして息子は、東京ドームにバファローズの試合を見に行くと言い出した。

どういうわけか、黒豹もついていくことにした。

息子にとって記念となる、バファローズファンとしての最初の試合。

しかしその試合、対戦相手の日本ハムファイターズの柴田保光が、バファローズを相手にノーヒットノーランをやってしまった。


ドームから家の近くの駅に着くまで、息子は一言もしゃべらなかった。

そして駅から家への道の途中で、息子は涙を流し始めた。

「もうイヤだ、こんな負けばっかりの人生」

そう言う息子に黒豹はこう言った。

「お前は阪神ファンに戻れ。

 俺達は、阪神ファンでいて、勝つってことは本当に難しいんだってことを学ぶんだ。」

あれほどがんこに抵抗した息子は

「わかった、俺は阪神ファンに戻る」

と言った。


小学生の時野球をやっていた息子は、中学ではラグビー部に、高校ではアメリカンフットボール部に入った。

しかし野球を、タイガースを好きなことには変わりはなかった。

アメリカンフットボール部では、彼のヒーロー、ランディバースの背番号と同じ44番をつけた。


息子が大学を卒業して、黒豹は2回目の反抗を迎えることになった。

「芸人になる」

と言って、息子が安定した職につかないのが気に入らなかった。

前回は応援するチームについての反旗だが、今度のは生活と未来がかかっていた。

息子はなかなか売れなかった。

「爆笑オンエアバトル」では、初回挑戦からの連続落選記録を作るほどだった。

とうとう黒豹は息子と縁を切ることを決め、その文書を送った。


息子は息子で苦しんでいた。

決して遊んでいたわけではなく、いろいろと試行錯誤をしていた。

簡単には売れない。

勝つことは難しい。

もし阪神ファンでなければ5年も持たずに芸人の道をあきらめていたかもしれない。

難しくても、勝つことを信じることができた。


2008年の「M-1グランプリ」にエントリーした息子は、渡されたエントリーナンバーを見て、ちょっと嬉しくなった。

「4431番」

バースと掛布の背番号じゃないか…

しかしまっすぐには決勝には行けなかった。

敗者復活戦にまわった。

そしてその背番号の効果もあったのか、敗者復活を勝ち抜き、決勝に進出できた。

初めて出るM-1の決勝の舞台。

多くの人がテレビの前で見ている。

そして息子のコンビ、オードリーは、NON STYLEに敗れたものの、準優勝に輝いた。


今、テレビをつけると、息子である若林正恭の姿を見ない日は珍しい。

時間はかかったけど、夢をかなえることはできた息子と黒豹は、和解した。

もし阪神ファンでなかったら、こんなに粘れなかったかもしれない。

勝つことが簡単だと思ったら、現実とのギャップに打ちのめされえていたかもしれない。


もうすぐ日本シリーズが始まる。

黒豹と息子のメールのキャッチボールは、まだ終わらない。

これからが本番だ。



<あとがき>

この小説もどきは、10月18日深夜の「オードリーのオールナイトニッポン」で、オードリー若林が語ったものをベースに、他のメディアで見聞したもの、そしていくつかの想像も込めて書きました。

私自身はタイガースファンではないどころか、ホークスファンです。

オードリーのファンでもあります。

もし阪神ファンの方でここまで読んでくれた方がいたら、オードリーの若林正恭のことを仲間に加えてほしいと思い、これを書きました。

そして、今日から始まる日本シリーズを前に、いちホークスファンから、タイガースとタイガースファンにおくるエールの意味も込めて。



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