【読書】堂場瞬一著『八月からの手紙』の感想など



(ジョン・ギブソンのモデルとなった、ジョシュ・ギブソンを紹介する動画

 下記リンク先にも長いのがあります

 YouTube「Legend Behind the Plate: The Josh Gibson Story 」へのリンク)


『八月からの手紙』(堂場瞬一著)

と言うを読みましたので、感想を書いておきます。

Amazon『八月からの手紙』へのリンク


1.総括

(最初に書いておきますが、私はフィクションの小説をほとんど読みません)

退屈な部分はあまりなく、興奮しながら読みました。

だいたいの流れは読めるのですが、結論が読めない。

早く結果が知りたい、その一心で最後まで読み切りました。

特に矢尾とギブソンの対戦、そして矢尾のギブソンへの来日の依頼はどうなるのか、ここら辺は当に興奮して読みました。

登場人物や団体に対して事前知識があったからか、展開がわからない、と言うところはありませんでした。

まったく事前知識がないときついかもしれません。

でも、調べながら読めば、楽しめます。

そして、史実と合うかどうか、そこら辺をハラハラしながら読めばいいかな、と思います。


登場する人物や団体は、実在した人物や団体がモデルで、それらを組み合わせた仮想小説と言うことになるのでしょう。

こう言う分野は好きです。

野球の歴史を知りたい方にはお勧めです。

また、太平洋戦争の一面を知る上でも、読んでおいたほうが良いと思います。


2.登場する団体や人物と、実在する人物や団体

あくまでも私の判断ですが、登場する団体や人物と、実在する人物や団体とを書いておきます。

読んでいる最中にわからなくなったら、私の解釈した言葉で、Wikipediaなどで調べたら解決できるかもしれません。

1)「日リーグ」

戦後財をなした藤倉が立ち上げようとした、日野球連盟(書の中では「職業野球」)に対抗する新リーグのこと。

実在した「国民野球連盟」に相当することになるでしょう。

Wikipedia「国民野球連盟」へのリンク

この対抗リーグについては、下記のノンフィクションについて詳しく書いてあります。

私も20年ほど前に読みました。

今は入手困難となっているようですが、図書館には蔵書しているところが多いと思います。

Amazon「焦土の野球連盟」へのリンク

結局、既存の日本野球連盟に太刀打ちすることができず、1年ぐらいで解散しますが、そこで育成された背広組は、後年日本野球連盟の中でも活躍します。


2)ニグロリーグ

これはそのままの名前で実在しました。

蔑称ではないです。

戦後、ジャッキー・ロビンソンが、「マハトマ」と言われた辣腕GMブランチ・リッキーに誘われてメジャーリーグに入るまで、黒人は排除されていました。

Wikipedia「ニグロリーグ」へのリンク

本書の中にある通り、その力はメジャーリーグをしのぐものだったようです。

Wikipedia中の「ニグロリーグやメジャーリーグで活躍した黒人選手」を見てもらえば、その顔ぶれに驚くことになると思います。

ハンク・アーロン、ロイ・キャンパネラやウィリー・メイズもいたのですから。


しかし、ロビンソンが、信じられない忍耐力で成功を収めると、メジャーリーグの草刈り場状態になってしまい、衰退してしまいます。


3)ジョン・ギブソン

実在したジョシュ・ギブソンのことです。

だいたい本書の中に書いてあるような人生を歩いたようです。

800本以上のホームランを打つた「黒いベーブ・ルース」でしたが、自分がメジャー入りができないことを知ると酒を飲むようになり、それも原因といわれる脳卒中で死去します。

Wikipedia「ジョシュ・ギブソン」へのリンク

メジャーリーグでプレイすることはありませんでしたが、メジャーリーグの野球殿堂には名を連ねています。


4)タイロン・ペイジ

実在したリーロイ・サッチェル・ペイジのことです。

ペイジも、だいたい本書で書かれたような投手だったようです。

とにかく、冗談のような伝説を持つ、すごい投手です。

通算2千勝。

ノーヒット・ノーラン400回。

本書の中に、メジャーリーグの剛速球投手で「火の玉投手」と呼ばれたボブ・フェラーが、舌をまいたようなことが書いてありますが、それも事実だったようです。

「サチェルの投げるボールがファストボールなら、俺の投げるボールはチェンジ・アップだよ」とフェラーは言ったそうで、170キロを超える速球を投げたと言われています。

Wikipedia「サチェル・ペイジ」へのリンク

Wikipedia中にありますように、日本ではずっと無名の人物でしたが、死亡記事とその記録を見た佐山和夫が

「自分はなぜこれまで、これだけの経歴の投手のことを知らなかったんだろう。

 なんで日本で知られてないのだろう。」

と疑問を持ち

『史上最高の投手はだれか』

を書いて、テレビでも特集され、ペイジとニグロリーグのことが広く知られるようになりました。

こちらの本も入手することが困難だと思いますが、図書館に行けば蔵書にあると思います。

Amazon『史上最高の投手はだれか』へのリンク

5)日系人の強制収容

これは最近スポットが当たるようになった史実です。

そして、私が本書の中で、一番知識を得た事柄です。

そう言うことがあった、と言うのはよく知っているつもりでしたが、その悲惨さがこの本には生々しく書いてあり、やっぱり戦争ってめんどくさいな、と感じました。

Wikipedia「日系人の強制収容」へのリンク

主人公の矢尾健太郎の父親が、戦前、戦中、戦後で大きく変わっていきます。

それが、戦争と、日系人の強制収容のことを、うまくあらわしていると思います。


6)矢尾健太郎

最後に主人公のことですが、これが誰のことかわかりません。

サイドスローから「七色の変化球」を投げた若林忠志のことを思い出しましたが、この投法と親が広島出身であること以外は相違することがほとんどです。

若林は戦時中日本にいましたし、国民野球連盟に加担もしていないようです。


3.もう一度感想

とにかく私が好きな、「知られていない史実」がたくさん出てきたのが嬉しかったです。

私がこの本を読もうと思ったのは、文庫本の裏側に

「ギブソン」

の名前を見つけたからです。

へえ、日本の戦後の野球と、ニグロリーグを結びつけたやつか…

こいつは面白そうだ、と思ったからです。


そして、本当に

「次はどうなる?」

の連続で、それが私にしては早く読み終わらせる後押しとなりました。


ただ、最後の著者による

「後書き」

で、登場人物のその後に触れたのは、おもしろくないな、と思いました。

藤倉が、これからのことに思いを強くするところで終わったのは、とても素晴らしいと思うのです。

そして、「日本リーグ」がどうなるか、などは正直そこまでの感動来な出来事に比べれば、どうでもいいことだと感じます。

だから、登場人物のその後も、それほど気になりませんし、幸いなことにここで紹介した2冊の書籍を私は持っていて、読んでいますから。


でも、実在した団体や人物をモデルにする小説は面白いなと考えました。

こう言う分野はそれほど目新しいものではなく、私もこれまで何冊か読んできましたが、その中でもこの本は秀でていると感じました。

日本の野球とニグロリーグを結びつけたのは、その最たるものだと思います。


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